研究業績

「労働者におけるデジタルヘルス介入の効果:アンブレラレビューによる検討」がnpj digital medicineに掲載されました。

https://www.nature.com/articles/s41746-025-01578-2

 働く人々を対象としたデジタルヘルス介入は、生活習慣の改善、慢性疾患の予防や企業の健康経営の観点から注目されていますが、その効果に関するエビデンスは不足していました。そこで、本研究班では、労働者を対象にデジタルヘルス介入の効果を検証した系統的レビューの系統的レビュー(以下、アンブレラレビュー)を行い、デジタルヘルス介入が身体活動や座位行動、体重の維持・改善に効果的かを調べました。

 結果、効果の大きさは小さいながらも、デジタルヘルス介入が介入をしない場合と比べて身体活動(指標によりばらつきあり)や座位行動、体重の維持・改善に有効である可能性が明らかになりました。また、デジタル技術を用いない介入(リーフレットの配布、運動教室、対面のカウンセリングなど)の効果と統計学的な有意差がないことが分かりました。

 これらのことから、デジタルヘルス介入は働く人々の身体活動や座位行動、体重の維持・改善に小さいながらも効果があるため、その他の介入方法も含めて労働者の健康増進の一つの手段として検討できると考えられます。

 この成果は、「npj Digital Medicine」誌に4月14日に掲載されています。